煩悩な思春期

色即ぜねれいしょん』鑑賞。
一言で言うと、文化系男子万歳! 自分がマッチョイズムを振りかざす男くさい男を苦手としていることを改めて思い知った。そして、臼田あさ美がかわいすぎて恋するかと思った。
青臭くて恥ずかしくて、楽しい映画だった。でも、例えば、どうして隠岐の島が「フリーセックスの島」であると主人公たちが誤解したのかよくわからなかったり(そんなどうでもいいエピソードではなかったと思うんだけど…)と、ぽちぽち違和感が残る部分も。楽しいだけの映画じゃ満足できない自分に気づき、何ともひねくれた気持ちでDVD再生終了したのでした。

オーケストラは,世界だ。

オーケストラ!@シネスイッチ銀座
タイトルの通りオーケストラを題材として,チャイコフスキーのバイオリン協奏曲を軸に展開していく物語なのだが,のだめと違うのは本作におけるオケとか音楽というのはあくまで材料のひとつに過ぎないということ。音楽云々より,人間や国家の数奇な運命というものが大きなテーマとして描かれていたと思う。
意外と超展開が多く,コメディならコメディと割り切って楽しく笑って見るべきだったと上映終了後に思い至った。超展開の意味を考えるうちにストーリーに置いてけぼりを喰らうことが多々ありました。。。本作最大の見せ場として声高に宣伝されている「最後12分間の演奏シーン」も,ある意味超展開です。
しかし,どんな駄作でも最後にチャイコンを持ってくればそれだけでちゃらになってしまうのではないだろうか,とか思ったり…*1

*1:ただ本作の場合,ロシアの元オケがチャイコをやるので,無意味な選曲ではないけれども。劇中では元マエストロに向けた「チャイコフスキーはお前の血の中にある」との台詞も。

しょうがないから,明日もがんばるわ。

川の底からこんにちは@渋谷ユーロスペース

満席近い入りだった。意外とおじさんも多くてびっくり。本編始まってからも,声上げて笑っていたのはおじさんが多かった。
上京して5年目,5人目の恋人とつきあいながら5つめの職場で働く主人公が,病に倒れた父に代わって会社(しじみ加工工場)を支えるべく,故郷にもどって奮闘するおはなし。前半の東京編では会社の描き方があまりにステレオタイプすぎたせいか,エコ(笑)に勤しむへたれ恋人に本気で嫌気がさしたせいか,少々鼻白みつつ見ていたのだが,後半の故郷編は楽しく見ることができた。工場のおばちゃんたちとのシーンにほろりとさせられたり,死期を悟った父が「金儲けしてきれいなワンピースでも買え。お前,似合うんだから」とか言うものだから胸がしめつけられたり。主人公の諦念から生じる開き直りに反感を覚えるひともひょっとしたらいるのかもしれないけれど,だいたい現代の若者たるわれわれは開き直ってしか生きていけないのだ。と思う。
「しょうがないから明日も会社いくわ,がんばるわ」って自分自身よく言っている言葉で,映画が締めくくられたので,にやりとしながら劇場を後にした。連休の終わりにふさわしい映画を見たな。
しかし,帰り道にハンズに寄って,また小金を使ってしまった。質素に生きるって決めたのに……! しかも,渋谷を自転車で往復しただけなのに,若干足がぷるぷるしている。筋肉痛……!

心を込めて花束を

大学オケの先輩の結婚式(2010年第3弾!)。入学以来,とても近いところでみっちりお世話になった先輩同士の結婚式ということで,感慨深いものがありました。ご両親への手紙をきりりと読む新婦のかたわらで涙ぼろぼろの新郎,という光景がこのおふたりのことを端的に物語っているようで,ほほえましくもじーんとくるワンシーンでした。あらためて,末永くおしあわせに。
そして大同窓会だった二次会。先月から結婚式が続いたものだから,今回は久々の再会という感じもあまりなかったけれど,次にみんなに会えるのはいつになることやら。と今になってやっと気づいた。

帰省のおとも

往路▼

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

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  • 作者: ティナ・シーリグ,Tina Seelig,高遠裕子
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2010/03/10
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自己啓発本だったとは。。。ぱっと見あたりまえに思えることを本当に実践すること/し続けることが,人を成功に導くのかも知れない。そしてひらめきをもたらすためには,それなりの思考の様式を身につけておくこと,と。
復路▼
四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

もりみー作品を着実に読み進めている。
四章構成の本作,読んでいて途中第三章あたりで飽きかけたが,それには構造上不可避の問題もある。そして飽きかけた気持ちで臨んだ最終章で,起承転結でいう「転」および「結」が一気にやってくる感じを味わい,私はまたもりみーのことが好きになったのであった。しかし「黒髪の乙女」という表現が実によいよね。

最近読んだ本

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

▲最初は女子パートの文体が鼻についたが,読み進めるうちにすっかりはまった。なむなむ。文庫版あとがきは羽海野チカが担当しているのだが,自分が本を読みながら想像したとおりのイラストが描かれていて,満足度倍増。
「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔 (角川文庫)

「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔 (角川文庫)

▲あいもかわらず新宗教について考えている私。この本は大学3年のときに受講した宗教学の授業で紹介されていた気がする。「思考停止」に陥ったマスコミ,そして私たちすべてについて,淡々と描かれている。自分の頭で考え判断できる人でありたいと強く思う。
世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)

世界が完全に思考停止する前に (角川文庫)

▲(特に日本の)メディアの中の人たちって,何を考えて日々「報道」をしているのだろうかと問いただしたくなった。いや,何も考えていない「思考停止」状態なのか。