よい読者

誰か Somebody (カッパノベルス)

誰か Somebody (カッパノベルス)

読み終わって思わず「ああおもしろかった」と声に出して言ってしまった*1。そのままページを捲ると「カッパ・ノベルス誕生のことば」があり、

読み終えて、人それぞれに「ああ、おもしろかった」と感じられれば、私どもの喜び、これにすぎるものはない。

と書かれていた。逆に読者冥利だね。
ほぼ徹夜で読んでしまった。読み終わったのは4時半だった。阿呆である。でも宮部作品は読み出すと止まらなくなってしまうのだ。多分、伏線が沢山あって、そして必ず最後に上手く解消してくれるから、それを期待して読み進めてしまうような気がする。
あと、このひとがうまいのは、現実味のさじ加減の絶妙さだろう。物凄くリアルな描写に、ふと虚構が織り交ぜてあるから、フィクションを読んでいるというよりはむしろ実際に起こった事件のルポを読んでいるかのような気分になって、どきどきしてしまう。
あーでも服装の描写だけは現実味に欠ける。毎回思うけど。大体いまどき靴までおそろいのペアルック着てるカップルなんているか?いたらごめんなさい。

*1:いわゆる独り言です。多いです。