じぶんをみつめる

一刻も早くレポートに取り組むべきところ、ETV特集に見入ってしまった。

東京芸大では、4年生に卒業制作として自画像を課す。提出された自画像は大学側が買い取り、永久に保存するそうだ。まずその姿勢に頭の下がるような思いがした。そして学生側にとっては、たったひとつしかない処女作でありながら、提出してしまえば(例えばこのような特集が組まれない限り)二度と見ることはない、なんとも非対称な構造。まぁ逆に、そうでなければ描けないのかもしれないなぁとも思う。
数年ぶりあるいは数十年ぶりに、自画像と思わぬ再会を果たしたかつての学生たちは一様に「こんな絵を描いてましたか」「こんな絵でしたか」と第一声をあげる。そうして自らの作品について解説をするとき、「〜だったんだと思います」「〜したんだと思います」というふうに語っていたのが興味深く、印象的だった。
それにしても変なひとばっかりだった。いまは銀座でピアノを弾いているという女性と、いちばんさいごの女性とがかっこよかったな。

  • 吸収して、排泄して。
  • 死ぬまで描くのが美徳、ってのがあるでしょ?私は、全然。(笑)