性別役割分業

新報道プレミアA。日本人男性と偽装結婚してビザを取得し、日本に滞在して働くフィリピン人女性*1の特集と、反対に中国人男性と結婚し上海で優雅なくらしをおくる日本人女性の特集とをやっていた。
後者でとりあげられていた日本人女性はみな、家事をしないという。同居する夫の両親がやってくれたり、あるいは夫が家政婦さんを雇ったり。で、驚いたのは、「上海では男性が料理やその他家事をすることが普通」ということ。統計的にホントなのかどうかは知らないが、少なくともこの特集内ではそういうことになっていた。前述の日本人女性に限らず、道行く現地の女性にインタビューしても、同じような答えが返ってくる。私としては日本人女性がいかにセレブな暮らしを送っているかなんてもはや(というか最初から)どうでもよくて、むしろその「男性が家事をして普通」という価値観のカラクリを知りたかった。そこを掘り下げない限り、この特集の価値はお昼の情報番組と何ら変わらないと思うのだが、ついに掘り下げてはくれなかった。
私がなぜそのカラクリにこだわったかというと、

上海って中国でしょ
→中国って儒教がうまれたところでしょ
→なんで発祥の地でもない日本では儒教文化が根強く残ってるせいか<女が家事して当たり前>なのに、発祥の地中国(の上海)では男女平等(むしろ女性尊重?)が行き渡ってるの??

という思考回路が働いたからだ。でも、そのうち、もともと儒教の教えには男尊女卑の考え方はないという話を思い出した。結局、日本で「男女平等」が浸透しきらないのは、儒教文化のせいではなく、明治政府がそれを利用して巧みに作り出した家制度と、戦後の復興を支えるために都合よくうみだされた「男は外、女は家」という性別役割分業意識との影響に過ぎないんだなぁ。改めて痛感した。儒教を自分の中で勝手に悪者にしていて、何だか悪かったなと思う。

*1:「日本人配偶者」略して「ニッパイ」と呼ぶらしい