おい、地獄さ行ぐんだで!

時流に乗って(にしてはちょっと遅いか)、読んでみた。

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

迫力のある描写が多く、蟹工船の労働者たちのおかれた劣悪な環境に思わず怒りを抱いてしまう。そういう文章じたいにも価値があるのだと思うが、全体としては啓蒙を目的としているような雰囲気が感じられる。現代の、非正規雇用の若者たちなどにも受け入れられてブームになっている、という先入観アリアリで読んだせいもあるかも知れないが、「これほんとに同じじゃん!」という感じ。労働者の権利が整えられて久しいはずの現代においても、資本家の考えることは、それ以前と全く変わらないのかと思うと、何とも浅ましいような愚かしいような気分になってくる。
ちなみにこの本は母から送られてきた。赤化(・∀・)?ゼミの友人たちには「蟹工船送ってきてくれるなんて、なんていいお母さんなんだ」と褒められた。