三四郎池にて

なぜ人は池の鯉に餌をやるのだろうか。餌を投げる。鯉が、見る見るうちに一体どこに隠れていたのだというほどに集まってくる。かぱっ、かぱっ、がばがばっと威勢のいい音を立てながら、激しい争奪戦の末、鯉が餌を食べる。その光景が単に面白いのか、鯉に必要とされている感じがよいのか、はたまた支配欲の表れか。私は、鯉に餌をやらない。これは私が個人主義者ということか、ネオリベということか、はたまた吝嗇ということか。