みちのくのたびはつづく

この日はまずJRで五所川原まで行って、そこで津軽鉄道に乗り換える。目指すは斜陽館、太宰治の生家なのだけれど、その津軽鉄道の電車が、その名も走れメロス号↓


にょーん、ローカルだ。
太宰治の生家は、現在のお金に直すと7〜8億円のお金をかけて建てられたらしい。いちばんすごかったのはお仏壇である。きんぴか。ふつう「ぶつだん」と聞いて思い浮かべる倍のスケールだった。太宰の自筆を見たけど、字はあんまり神経質そうではなかった。鬼気迫る内容ではあったけど。
で、またメロス君に五所川原まで乗せて帰ってもらって、今度は電車がないのでバスで弘前に戻って、弘前プライスのカレーを食べて、旅の本来の目的を果たしてきました。

こいつに行きたかったのです。
←誰かに似てるような。


弘前にある古い煉瓦倉庫で行われているこの展覧会、奈良美智 + graf A to Z。倉庫の中には、AからZまで、全部で26の小さな小屋が建てられていて、奈良を始めとするいろんなアーティストの作品が展示されている。
奈良といえば、目つきの悪い女の子がこちらを睨みつけている絵、という印象が少なくとも私にはあったのだけれど、そんな子どもには奈良自身の世の中に対する不信感や疑いの気持ちが投影されていたんだなぁ、とこれは以前テレビでドキュメンタリーを見て思った。それが、今回展覧会を見ていると、新しい作品群では女の子の表情がずいぶんやわらかくなり、その瞳は何だかきらきらしている。奈良さんの心境の変化なのかな。それともふるさとでこうした個展をやれるってことがそうさせたのかな。いずれにせよ、もうあの世の中の大人なんて信じられないよねっていう子どもの絵が見られなくなるのはちょっと嫌だなぁと思った。
女の子を描くだけじゃなくて、この犬をよくつくってるみたい。

なんとこいつには乗ることができたのだ。嬉しくて、跨ってゆらゆらしていたら、「揺らさないでいただけますか」と注意されてしまった。



そんなこんなでさよなら青森。さよなら青森の低い空。


帰りのバスはパンダ号!なんたって上野に着くからね。