そなたはわたしの何なのだ
なんということだ
これほどとは今の今まで気がつかなかった
自己が自己らしくあるためには
いや わたしが人間らしくあるためには
毛人に補われねばならぬというのか!
わたしの理性や感情をもはるかに超えて
もっと奥深い根源的なところで必要としている鍵は
毛人だというのか!?
人ひとりが完全であるために
他の人間をこれほど欲さなければならないというのは
どういうことだ
わたしという人間は
それほどまで欠落した部分を持って生まれたのか
いや それよりもなにより もっと恐ろしいのは
毛人にとってわたしは……
出典↓
- 作者: 山岸凉子
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私信:続きが読みたいです、先生。