客寄せパンダ

大徳川展に行ってきました。
学校からてくてく歩き、博物館が見えてきた…と同時にものすごい数の人の頭も見えてきた。反射的に引き返しそうになったが、この機を逃すとこの企画には二度と巡り合えないだろう*1と思い、腹を括って乗り込んだ。が、案の定入場制限がかけられており、1時間暇つぶしして改めて乗り込んだ。
結論。会期終了2日前の、しかも金曜日の、しかも夕方に行った私が間違っていた。…でも、行きたかったんだから仕方ない。うん。仕方ないとしても、あれだけ混雑していると人の頭越しにしか展示が見られないし、集中もできないし、始終げんなりの大徳川展であった。
それには、事前に、文化資源学の某教授*2から企画に対する批判的コメントを聞かされていたせいもあったと思う。曰く、徳川総本家+御三家が一堂に会すというド派手な企画、しかしそこには国立博物館独自の研究成果がどれだけ反映されているというのか。このままでは博物館の研究組織としての役割が失われてしまうのではないか。
そして、(一部ではそんな評もある)展覧会にこぞりにこぞった人たち。みんなそんなに徳川家のこと好きなんですか(かく言う自分も行ってるんですけど)、とか言ってみたりして。しかしこの盛況ぶりは30年前、上野動物園にパンダがやってきた時、上野駅まで入場待ちの列を作ったというのと同じからくりの現象なのではないだろうか。そしてきっとそのからくりが、日本人の大衆的心性とでも言うべきものなのでは。などとつらつら考えながら、人が減るまでねばるのは諦め、後悔に包まれながら会場を後にした。

*1:このあたりH報堂に踊らされているのだ

*2:名前伏せる意味がない…