霞みゆく景色の中に

気がつけば3月も終わろうとしているではないか。桜も見ごろを迎えようとしている。明日が雨なのは残念だ。
「春が来るとうんざりする」と言う人がいたので「桜見たらいい気分にならない?」と聞くと、また別の人に「いや、桜を見たら何だか焦る」*1と返された。なるほど。桜に象徴される春という季節は、言うなれば節目の季節である。多くの人たちがそれまでの人生に一区切りをつけ、新たなフィールドへと一歩踏み出していく。そのような季節の中にありながら、とりたてて変わったことのない毎日を送っていると、置いてけぼりを喰らったような気分になってしまう、というのは確かにあるかも知れない。
家のベランダから桜が見えて、とてもきれい。昨年の私は桜を見ながら何を思っていたのだろう、と考えたけれど、思い出せなかった。確かに桜を見ると、いい気分と言うよりは、静かに思いを巡らせたいような気分になるのかな。回顧し、懐古する。春なのに、春なのに、ため息またひとつ。

*1:という内容だったと思う