どうして私と一緒にいるの?

ようやく見てきました。渋谷シネマライズにて。

穏やかないい映画である。見る価値のある映画ってこういうのじゃないのかな。みんなこういうのもっと見ればいいのに。マジック何たらとかも、面白いとは思うけどさ。でもこれは夫婦の話だから、今の私にはまだまだ想像の域を出ないこともたくさんあり、もし私が将来結婚したら、もしくはもっともっと年をとったら、また見直してみたい映画だなーと思いました。以下は全然まとまってない感想。
オフィシャルサイトには「夫婦っていいなと思った」などと言うコメントが多く寄せられていたが、そうか?って思う。それより私はむしろ、夫婦って大変だなー結婚ってすごい、というふうに強く感じる。それは妻がうつになったからというわけでは決してなく、とにかく何があろうと寄り添って生きることのたいへんさ。たかだか1年や2年でひいひい言っている私たちって何なのでしょう。まぁそれは、恋愛と結婚の違いなのかも知れないけれど。
ちょっと話が逸れた。心を病んだ妻が、彼女が価値を見出している家グモを殺してしまった夫に当たり散らすシーンは思わず涙が出そうになりました。「どうして私と一緒にいるの?」これは夫婦や恋人に限らず、人間関係にまつわる普遍的な懐疑心で、疑い始めると終わりのない問いでもあり、でも目を逸らし続けることもできない問いでもあり。自責の念にかられた妻への夫の対応は、百点満点じゃないかもしれないけど理想的だと思った。こんな関係をまわりのひとと築いていけたらいいのかもしれない。
この映画のもうひとつの特徴は、90年代から00年代前半にかけての大きな事件を描いていることで、犯人の名前なんかは変えてあるけれど、宮崎勤*1の連続幼女誘拐殺人事件や宅間なんとかの池田小児童殺害事件、オウム事件、などなどの法廷シーンが登場する。それはそれで考えさせられるところが大きかったのだが、私はうまく、この一組の夫婦の歴史と社会の出来事とを結びつけて考えることができなかった。それがちょっと残念。
木村多江がすごくきれいで、リリー・フランキーは頭がでかくて足が短くて頼りなさげなところもあるけどこんな人とだったら一緒にいたいなと思える感じだった! この映画を夫婦で見にいったという、夫婦歴23年のうちの両親に感想をぜひ聞いてみたい。あーあと、倍賞美津子はみちる母にしか見えなかった。役どころも何となく似ていたし。これで私の中での倍賞美津子イメージは、「ちょっとだらしのない母親」で完璧に定着してしまった。。

ちなみに今日は水曜だからレディースデーだと思ってわざわざ出掛けたのに、シネマライズではレディースデー割引はやってないらしい。がーん。前からそうだったっけ?そのかわり、日曜最終回は1000円らしいので、しっかり覚えておこう。
うーん安っぽい感想じゃ。

*1:被告人を演じたのは加瀬亮だったが、全然気づかなかった!イメージが違いすぎた。。