初オールナイト

渋谷・シネマライズにて、『朝までミシェルゴンドリー』。夜通しゴンドリー三昧でした。三本立てなだけに(え?)。一睡もせずに全作品見ました!

僕らのミライへ逆回転

最初のうちは、こんなおバカ映画見るの久々だ!なんて思っていたものの、次第に、軽快な笑いの奥にあるメッセージみたいなものが感じられるようになり、なんだかすごくじんわりきた。映画というメディアを用いて映画作りをテーマにした作品をつくるというのは、それじたいがものすごくメッセージ性のあることではないだろうか。作品中、主人公たちは新旧の名作映画のリメイクを制作したことで著作権法違反の罪に問われるわけだが、それを受けて「俺たちのオリジナルを作ろうぜ!」という感じの台詞を言っていたのがすごく印象的だった。その後、街のみんなが参加し、まさに手作りの映画を撮っていく。映画を作る原初的な喜びってこういう感じなのではないだろうかと思った。「壊し屋」ジェリーことジャック・ブラックが面白すぎる!

恋愛睡眠のすすめ

2007年春公開だが当時見逃してしまい、今回いちばん見たかった映画だった。
手作りに対するこだわりと強い強い愛情の感じられる、とびっきりキュートであったかい映像世界のなかで、ひとの見る「夢」という得体の知れないモノを本当に上手に*1描きだしている。あー夢の世界観ってこういう感じだよな、と納得しながら見た。主人公ステファンほどに夢と現実を混同してしまってはかなり厄介だと思うが*2、彼の姿を見ていると、恋をすると誰しもが陥りがちだと思われる「夢見がちになる」「現実から目を背ける」「変態になる」などの状態がすべて肯定されていくようでなんだか心地よかった。
ステファニー役のシャルロット・ゲンズブールが飾り気はないんだけど可憐で超かわいい。僕らのミライと〜と続けて見ることで、監督の「ハンドメイド」に対する熱い気持ちがよーく理解できた。

エターナル・サンシャイン

上映開始が3:20am(確か)。しーんとしたシーン(おっと)で、いっせいにみんなの寝息が聞こえてきたときがあった。
個人的にはいちばん面白くなかった。。恋愛睡眠〜では人間の認識の不思議さを描くことに成功しているけれど、こちらでは人間の記憶/認識の複雑さを描こうとして失敗している! と思ったのだが、帰って調べてみたところ、この作品は2004年度アカデミー脚本賞を受賞しているらしい。えー、絶対不倫のくだりとかいらないじゃんぐだぐだじゃん……と納得のいかない私であった。

*1:上手に、なんて言うのは失礼ですが

*2:ステファニーをバーで待たせたまま妄想に駆られて帰宅するシーンでは、本当にこのひと精神的に危ないのではと思ってしまった