ステレオタイプ

NHK教育で,すごくいい番組をやっていた。

テレビに描かれる障害者は多くの場合「明るく前向きで、何かに挑戦する」姿である。それはなぜか?それでいいのか?障害者、視聴者、番組制作者が生討論。ご意見も募集。

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「すごい人ばっかり見せられて、疲れる」。教育テレビ「きらっといきる」に寄せられたおたよりをきっかけに、番組制作者と障害者、視聴者が参加して発足した「きらっと改革委員会」。第3弾となる今回は、視点を福祉番組の歴史や海外の取り組みにも広げる。“明るく前向きな障害者”像がメディアに登場するようになったのはいつごろからか? 海外メディアは障害者をどう描いているのか? 知恵を出し合い「改革」をさらに進める。

リンク先,NHK番組表の番組紹介より。
私は見たことはないのだが,「きらっといきる」という障害者をとりあげるドキュメンタリー番組があるらしい。そこに「ステレオタイプはやめてくれ」という(多分当事者からの)声が届いたので,制作側であるNHKがそれに真正面から答える,というようなことは前にどこかで読んだ。それとは知らず,今日偶然放映に出くわしたので,途中からだったがとても興味深く見た。
「明るく前向きで,何かに挑戦する」障害者像を強調する最たる番組は24時間テレビだと思うが,ああいう偽善120%みたいな番組でなくとも,程度の差はあれ特定の障害者像を伝えている。*1それを当事者が指摘し,番組を作る側が真摯に向き合うというスタイルがとても新鮮だと思った。一緒に番組を見ながら妹に「お姉ちゃんはどう思うの」と聞かれ,ずるい答えだけど「こういう場が必要だと思う」としか言えなかったが,もう一段階踏み込むとすれば,障害者に特化したドキュメンタリー番組(「きらっといきる」は単発ものではないはず)という考え方じたいがおかしいのではないか。番組中でも触れられていたが,「健常者―障害者」と二分することに無理があるのだと思う。そのへんは,私が卒論で書くことともかなりシンクロするので,見ていてたいへんエキサイティングであった

*1:でも,送り手の「解釈枠組」をき,受け手である視聴者が理解し共有するからこそ伝播が成立するわけで,そう考えると送り手と受け手は共犯関係ということになるのかな。このへん不勉強。ゴフマン!