おくりびと,おくられびと

遅ればせながら,おくりびとを見た。初ピカデリー(迷った)。
率直な感想としては,ちょっと期待しすぎたのかも……という感じである。ネガティブコメントばかりが口をつく自分もどうかなとは思いますが,広末の演技が鼻につく/演出がところどころ好みじゃなかった*1/広末の演g(ry/中盤のもっくんのチェロ演奏シーンが謎すぐる*2/広末の(ry。
心に残ったのは何といっても山崎努だった。もう彼が画面にいるだけでよかったです。でも,「河童がいるかどうかさ」と言い出しやしないか,成海璃子が登場しやしないか,ひやひやしてしまった。納棺を生業としている山崎が食に強いこだわりをもち,納棺のすぐあとにおいしいものを食べるシーンが挿入されるのがすごく印象的でした。死と,食すなわち生の対比。食す方は生きている一方,食される方は死んでいる。「うまいんだなぁ,困ったことに」がこの映画最大の名言だと思う。
吉行和子おばあちゃんもすごくよくて,銭湯シーンで何度も涙腺がゆるんだのだが,彼女の最大の山場で私のおなかも最高潮を迎え……つまりおなかが鳴ってたいへんだった。周囲のみなさんには申し訳ないことをした*3。自分でも聞いたことのないような音がしていた。よりによって,あのシーンで。嗚呼。

*1:回想シーンへの導入が超ありきたりでは。そしてそこに回帰するのが個人的には違和感があった

*2:イメージビデオってやつですかこれは

*3:ひとりだったので,なおさら申し訳なく,やるせなく,かと言ってどうしようもなかった