1968

五月祭にて、東大新聞がこんなイベントをやっていたのだが、みなさん知ってましたか。

私は工学部二号館でやっていた写真・資料展(当時の東大闘争の様子の写真と、それを伝える東大新聞の記事)を見に行った。シンプルな展覧会だったが、やはり写真は多くを語る。当時の記事の複写も面白かった。「東大闘争があった」「安田講堂に篭城し、そして機動隊により落城した」「入試が中止された」それぐらいは知っていたが、各学部がストに突入しそれが1年以上も続いたことなど知らなかったことも多く、多少なりとも当時の空気に触れることができたような気がした。シンポジウムも行くべきだったなぁ、謎の「スター企画」の一つであり、中でも唯一安田講堂でのイベント(=オケの割り当て時間が減った直接の原因)だったわけだけど。。。
そして今日、NW9の特集でこのイベントが簡単にではあるがとりあげられていた。構成としては、

土日の五月祭の映像
→近くの人にインタビュー「あの建物(安田講堂)に学生が立てこもっていたこと、知ってますか?」「え、そうなんですか*1
→こんなイベントがありました、ということで主催の東大新聞の学生*2に取材

という感じ。T森くんがインタビューで「(政治的な運動をやっていた)当時の学生と今の学生は変わらないんじゃないか」と語っていた通り、安易な二項対立の図式にはしたくなかったんだろうなという公共放送の苦労は伝わってきたと思う。でも最後のキャスターのコメント*3がその苦労をぶち壊したような気がする。
つい先日、若者論を二冊続けて読んだせいもあって、このテーマは非常に興味深いものだった。現代の学生と40年前の学生、違うことは確かだがどちらがよい/悪いという類の問題ではなく、そして何も変わらないのだというのもまた正しいのだと思う。あの頃はよかった的な安易な語りをしてほしくはないし、最近の若いもんは熱意がないなどとひと括りにされるのもまっぴらごめんだ。問題にするのであれば「両者が何も変わらないのであるとすれば、一方を闘争へと駆り立てたが、もう一方にはそうはさせない社会がどのように変わったのか」というテーマであるべきで、その答えのひとつが例えば「大きな物語の喪失」になるのだろう。A川先生には失笑されるかも知れないけれど。

*1:興味なさそうだった……

*2:同クラだったT森くん!

*3:何言ったか忘れたけどすごく尻切れとんぼな感じで歯切れが悪かった