モディリアーニ

お洒落すぎて持ちにくいカップ

母と一緒に、母の好きなモディリアーニを見に、母にとっては初めての国立新美術館に案内がてら、行ってきました。彼女が美術館に着くなり「これもアンディーだっけ」などと言い出すものだから焦った。アンディーだったら、あのじゃばらみたいな壁も全部コンクリート打ちっぱなしなんじゃないのかな。

展覧会のキャッチコピーは“あの名作から、知られざる原点まで”。この言葉通り、出品数約150点という国内最大規模の展覧会で、モディリアーニの人生を追体験するかのような気分になれる。というか、想像を超える作品数の多さに、おなかいっぱいになれる。どうしてモディリアーニの描く肖像画はいつも、アーモンド形の輪郭に同じくアーモンド形の目、長い首に極端ななで肩なのか、不思議に思っていたけれど、そこには一貫してプリミティヴィスムへの賛同があるということがよーくわかった。作品の展示方法や会場のデザインがまた素敵で、ところどころの壁に、アーモンド形の瞳や傾いた胸像(だったっけかな)のシルエットが描かれていたりもする。
たくさんの出品作品の中には、若い頃のスケッチブック一冊まるまる、なんてのも含まれていた。ラフスケッチでありながらほぼすべてを単線(理科の時間、「スケッチはこういうふうに描きなさい」と言われたみたいに)で、シンプルに描いているのにびっくりした。もののかたちを素早く正確にとらえることに長けたひとだったのだなぁ。そしてまたまた、そのほとんどが裸婦像であった。
見終わって、3階のレストランでランチ。店名が読めなかったのだが、今調べたところ「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」というらしい。ふーん。ちょっと豪華なランチを堪能いたしました。これまで新美術館で1階より上のフロアに上がったことがなく、あんな何やら突き出たものの上でごはんを食べても落ち着かないのではないかと疑っていたが、実際に利用してみてむしろその構造に感動した。調理場とかのスペースが絶対的に不足しているんじゃないか、いったいどうなってるんだ、と思ったら、突き出た「塔」の真ん中にエレベーターが隠れているのだった(たぶん)。黒川せんせいすごいなーと思った。