アナログな旅

「サイクリング行かない?」という電話で起こされて、目的地も知らぬまま待ち合わせ場所に赴くと、「これ行かない?」とプランを提示された。

ということでパナソニックセンター東京有明に行ってきました。自転車で。往路の晴海大橋で死にそうになりました。運動不足を痛感、だけど普通の市街地用の自転車の限界というのも絶対あると思う。たぶんこれは言い訳じゃないと思う。
展覧会では、若手クリエイターによる作品展デジスタ展2008を中心に見たのだが、どの作品も参加して楽しむことができて面白かった。「翔べ!小さな自分」という作品とは二度目のこんにちは*1。視覚だけでなく聴覚に訴えかける、つまり音や音楽を使った作品にはやっぱりものすごく惹かれるのだが、今日いちばん印象に残ったのは阿藤知世
さんという方の「曖昧かるた」という作品だった。かるたというのは普通、「い」なら読み札「犬も歩けば棒にあたる」と絵札が一対一で対応している。しかしこの作品では、「お酒」という読み札に対して「ワイン」「日本酒」「マッコリ」などという風に複数の絵札が設定されている。かるたはたぶんすべて阿藤さんによる手描きで、そもそもかるたという遊びじたいものすごくアナログなものなのだが、こういう特殊なルールにすることで、0か1か、必ず白黒つけるデジタルの概念に疑問を投げかけている、とのことだった。また、答えに複数の可能性があるから、「どうしてそれを選んだの?」というような質問をきっかけに参加者間でコミュニケーションが生じ、理解が生まれる、と。本人がその場にいらっしゃって、説明を聞きながら遊ぶことができたので楽しさ倍増だった。
会期は明日26日まで。みなさんもぜひ、自転車で!

*1:夏に行った、「君の身体を変換してみよ展」に出展されていた