The University Museum

はじめて東京大学総合研究博物館に行った。
建築模型の博物都市』という展示をやっているのだと思って見に行ったら,まず出迎えてくれたのは『UMUTアラカルト展』の方だった。私がいちばん気に入ったのは,このアラカルト展のうちのひとつ。


収蔵個体数700体以上,日本最大級のイノシシ頭骨標本群「林コレクション」。これは10分,いやそれ以上眺めていても飽きないなと思った。自分でも自分のツボがよくわからない。驚いたのは展示方法である。何の隔たりもない空間に,しかも地べたに,貴重な標本群が並べられているのだ。蹴りのひとつでも入れようものなら,見事なドミノ倒しの光景を拝むことができるであろう。そんな展示を可能にしているのは,どうせ沢山の人は見に来ないだろうという諦念なのか,ここに来るのはみな博物館に理解ある人たちだろうというという信頼なのか。
建築模型も楽しかった。先日のカケラ展では,カケラといえども実物の放つ不思議な力に驚かされたが,こちらは逆に実物を“鈍化”することでもともとの特徴が際立つというのが感じられた。それに,建造物という巨大なものを俯瞰することは難しいから,知っているはずの建物でも模型として見ると普段とはまったく違う表情をたたえているのだという発見がある。
本郷での気分転換や暇つぶしにぴったりではないでしょうか。静かで落ち着いた時間を過ごせます。